三井住友銀行は2024年4月よりインパクト投資機能をSMBCベンチャーキャピタルに整備しました。今回のワークショップは、三井住友銀行がインパクトスタートアップへの支援を強化する一環で3日間の日程で開催し、インパクト経営(社会的価値と経済的価値の同時追求)に資する各種ツールを活用して、DAY1では座学研修、DAY2では個社別フィードバック、DAY3ではピッチイベントを実施いたしました。
また、本ワークショップは社会課題の解決をミッションとする社会的価値創造推進部、スタートアップ支援を担う成長事業開発部、ビジネスマッチングなどを中心に国内の法人のお客さまの支援を行う法人戦略部営業支援グループの共同開催で、参加者側のスタートアップはインパクトスタートアップ協会から公募(6社より応募)の上で決定いたしました。
<参加スタートアップ一覧 ※以下、あいうえお順に記載>
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株式会社エナジード
教育機関及び企業向けの教材・研修サービスを展開。中学・高校を中心とした教育機関向けの次世代キャリア教育ツール「ENAGEED」の開発。 -
株式会社おてつたび
地域の困りごとをお手伝い(仕事)をしながら旅できるマッチングプラットフォーム「おてつたび」を運営。「誰かにとって“特別な地域“を創る」、「”知らないだけ”という機会損失を無くす」、「お互いの”ありのまま”の良さを認識し、温かい関係が広がる世界を作る」をミッションに掲げる。 -
株式会社オリィ研究所
人々の社会参加を妨げている課題を克服するためのプロダクト・サービスを展開。インターネット経由で遠隔操作できる分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」シリーズの開発。 -
TSUMUGU WORKS株式会社
「親子の笑顔を社会で紡ぐ」をビジョンに、シングルマザーに特化したインサイドセールス支援事業を運営。ひとり親世帯のワーキングプアの改善に取り組む。 -
ベースフード株式会社
完全栄養食の開発・販売。 -
ミントフラッグ株式会社
エデュケーショナル・コモンズ対応のAI英語アプリサービスを展開。子どもから大人まで無料で利用できるAI英語学習アプリ「マグナとふしぎの少女」の開発・運営。AI英会話アプリと専属コーチングを組み合わせたオンラインサービス「マグナメソッド」の提供など。
DAY1(2024年6月24日(月))座学研修
午前中はケーススタディも交えつつ、インパクト投資の概論について一通り学んでいただきました。そして、他のインパクトスタートアップを題材企業として、インパクトを生むための事業活動の仮説と検証を繰り返すためのツール「ロジックモデル」の作成にチャレンジしました。
午後からは「バリューアップ講義」と題し、経済的価値の向上に向けて事業をより成長させるためにどのような事業会社と連携を深めていくべきか、各社の事業戦略をテーマに「X Innovation Sheet(※)」の作成に挑戦!各社の事業概要や自社の強みをより分かりやすく伝えると同時に、どういう業種の事業会社との連携を希望しているかなど、的確なビジネスマッチングを行うために実践で役立つシートの作成に取り組んでいただきました。
初日の最後には作成していただいた「X Innovation Sheet」を基に、各社にピッチをしていただきました。
(※)X Innovation Sheet(クロスイノベーションシート)… スタートアップの「事業概要(強み)」・「どういう業種との連携を希望しているか」そして「その業種にとってどのような効果が期待出来るのか」を1枚に纏めて作成したもの。当シートの狙いは、事業会社とスタートアップとの共創推進が、効率的且つ効果的に数多く進展し、オープンイノベーションが活性化することを企図。
DAY2(2024年7月10日(水))個社別フィードバック
この日はDay1での研修を踏まえ、各自で作成した自社の「ロジックモデル」及び「X Innovation Sheet」を基に、社会的価値創造本部と成長事業開発部からフィードバックを行いました。
まず、社会的価値創造推進部より、各社のロジックモデルに対するフィードバックを行いました。ビジネスモデルの整理を行い、対話を通して自身の事業を深堀りしていくことで、思い描く事業ビジョンを明確にしていただきました。
その後、成長事業開発部を中心に「X Innovation Sheet」を基にフィードバックを行い、連携先を広げられる可能性についてお話をさせていただきました。
各社への共通したアドバイスとしては「資料をパッと見てわかる言葉遣いや資料の作り自体が大切」という点に加えて、連携を希望する業種の記載は漠然としたものだとイメージがわかず連携先が絞れないので具体的にした方が良い、といったポイント等をお伝えさせていただきました。
また、フィードバックを受けた参加者からは以下のようなご感想をいただきました。
- 初見では分かりづらいという指摘を受け改めて自社で練り直してみようと思った。
- 第三者が見るということを意識したうえでのシートの見直しと共に、ロジックモデルについては、新規事業・インパクトから発想を得たのでもう少し言語化していきたい。
- あらためて見返すと、利用者目線では考えられていないことに気が付いた。
DAY3(2024年7月24日(水))ピッチイベント
ワークショップ最終日は、実際に「X Innovation Sheet」を使っての各社によるピッチからスタート。DAY1からの学びやフィードバックを活かし、各社がブラシュアップした充実の内容にて発表をしていただきました。
発表の中で「今まで自分が着目してきた観点とは違う観点で取り組んでもいいのではということに今回の研修で気づき、「X Innovation Sheet」がとてもいいものだと感じて、早速活用させていただいている」といったような、嬉しいご感想もいただきました。
その後は、株式会社環境エネルギー投資のインパクト・オフィサー/キャピタリストの石田ともみ様と三井住友銀行 社会的価値創造推進部の花岡で、「インパクト投資における海外と日本の違いについて」をテーマにトークセッションを実施しました。
終盤の質疑応答では積極的な質問や意見が飛び交い皆熱心に聞き入っていました。
また、トークセッション後は事務局も交えての懇親会を行いました。
沢山の気づきや学びと共に全3日間のワークショップは無事に終了しました。
皆さま本当にお疲れ様でした!