2025年9月8日(月)、グリーンインフラ官民連携プラットフォーム主催の「グリーンインフラスタートアップX(cross) in SAPPORO」に未来X(mirai cross)が協力し、基調講演・スタートアップピッチ・交流会を開催いたしました。（第1回は2025年3月に福岡で開催）

当イベントは、グリーンインフラに関連する技術を持ったスタートアップとグリーンインフラに関心のある企業・団体の交流を目的としたイベントです。

福岡に続いて第2回目となる今回は Deep Tech CORE SAPPORO で開催し、当日は北海道内の事業会社（主にディベロッパー、建設業、その他インフラ企業）、自治体・行政、大学・研究機関等から約50名の方々にご参加いただきました。

開会挨拶では、国土交通省 総合政策局 社会資本経済分析特別研究官 小林 正典氏から、グリーンインフラの現状として、国土形成計画への組み込みやグリーンインフラ連携プラットフォームの設立、制度設計の進展、そしてグリーンインフラ推進戦略2023の取りまとめと先進事例についてお話いただき、「評価方法・資金調達・新技術とDXの活用が今後の課題であるため、特にスタートアップ企業の知見を取り入れ、グリーンインフラを活性化させ社会課題の解決に貢献したい」とのお言葉をいただきました。

その後、国土交通省 総合政策局 環境政策課 課長補佐 髙森 真人氏より、山林・湿地・都市緑地・海浜などを含む多様な自然環境を「グリーンインフラ」と位置づけ、その政策的展開と最新の取り組みをご紹介いただきました。お話の中では、雨水流出抑制や路面温度低減舗装、森林地下水涵養機能モデル、自己完結型緑化ユニットなどの研究開発事例が示され、今後はDX活用や国際展開を進める方針だとご説明いただきました。

続いて、グリーンインフラ官民連携プラットフォーム 技術部会長（国立研究開発法人土木研究所流域水環境研究グループ長）中村 圭吾氏より、都市・河川での具体事例やネイチャーポジティブの取り組み、健康や幸福への自然の影響、3次元データやAIによる設計技術、自動設計の最新事例をご紹介いただきました。

その後のピッチには、グリーンインフラに関連するスタートアップ5社が登壇し、株式会社三井住友銀行が作成したX Innovation Sheet（クロスイノベーションシート）（※以下「XIS」と記載）を活用して希望提携先に向けてのメッセージ発信を行いました。後日、参加した金融機関が本シートを自身のお客様である事業会社に展開して、ビジネスマッチングに繋げていく予定です。

(※)X Innovation Sheet（クロスイノベーションシート）… スタートアップの「事業概要（強み）」・「どのような業種との連携を希望しているか」そして「その業種にとってどのような効果が期待できるのか」を1枚にまとめて作成したもの。当シートの狙いは、事業会社とスタートアップとの共創推進が、効率的かつ効果的に数多く進展し、オープンイノベーションが活性化することを企図。

ピッチに登壇いただいたスタートアップ企業は以下のとおりです。詳細な事業内容は各社のHPでご確認いただけますので、ぜひご覧ください。

スタートアップピッチ参加企業様

＜以下、敬称略、ご登壇順＞

• 株式会社エンドファイト
  植物内生菌「DSE」を活用して、劣悪な環境でも植物が育つグリーン事業を創出する
• 株式会社森未来
  木材流通の情報をITで集約し、木材プラットフォーム「eTREE」や森林認証等のコンサルで林業の持続性を高める
• 株式会社スペースシフト
  衛星データ×AIで地球観測データを解析して、変化検知・インフラ監視・農業モニタリングなどを行う
• 株式会社ラテラ
  無菌人工土壌「クリスタルグレイン」の開発・製造・販売を行い、虫・病原菌のない衛生的な園芸・植物工場技術を提供
• ミドリクNbS株式会社
  自然資本・生物多様性を可視化・診断・価値化するテクノロジー企業

最後に、株式会社三井住友銀行 札幌法人営業部副部長 藤川より、北海道の発展には食料産業・半導体GX・観光産業の活性と並んでグリーンインフラが不可欠な要素であり、当行としても金融面に加えてパートナー連携や情報提供を通じて貢献していきたいと締めくくりました。

閉会後の交流会（名刺交換会）では、XISを手に、協業の可能性や各スタートアップの事業理解を深めるための対話の場として、皆様が最後まで積極的にご参加くださり、大変活気あふれるイベントとなりました。

未来X(mirai cross)は今後も産官学金の多様なプレイヤーと共に、スタートアップのステージに応じた支援や事業会社等の協業や事業創出のサポートを行ってまいります！